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マカロニ・ウエスタンがテレビで復活!!

↑今もスペインのアルメリア地方に残るマカロニ・ウエスタンのオープン・セット

 

イタリアからビックリするようなニュースが飛び込んできました。なんと、筆者も熱狂的ファンであるマカロニ・ウエスタンが、その全盛期から50年近くを経てテレビで復活することになるというんですよ!しかも、世界的なブームを築き上げたパイオニアの二世たちの手によって!!!

 

ん?マカロニ・ウエスタンってなんですか?という若い世代の海外ドラマ・ファンのために、まずはちょっとばかり解説させて頂きましょう。マカロニ・ウエスタンとはイタリアで作られた西部劇のこと。今でこそ、日本で公開されるイタリア映画というと国際映画祭で受けるような芸術映画ばかりですが、’80年代まではスパイ・アクションにSFファンタジー、お色気コメディ、血みどろホラー、特撮ヒーローもの、戦争アクションなどなど、ありとあらゆるジャンルの娯楽映画を大量生産していたんですね。かつてはヨーロッパ最大の映画大国だったイタリア。ハリウッドから有名スターを招いて映画を作ることも少なくありませんでした。

とにかく、稼げるジャンルであれば手当たり次第に作っていたイタリア映画界。’50年代の花形ジャンルだったスペクタクル史劇のブームが衰退したことから、その次にプロデューサーたちが目をつけたのがハリウッド映画のお家芸である西部劇だったわけです。

 

↑クリント・イーストウッドはマカロニ・ウエスタンが生んだ最大のスーパー・スター

 

その起爆剤となったのが、セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」(’63)。ハリウッドのテレビ俳優としてくすぶっていたクリント・イーストウッドを主演に迎えたこの作品は、本場アメリカでも予想外の大ヒットを記録。イーストウッドはたちまち国際的なトップスターとなり、レオーネ監督とのコンビで「夕陽のガンマン」(’64)、「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」(’65)と立て続けにヒットを飛ばします。

1つ当たったらみんなが真似をする、というのは商魂逞しい当時のイタリア映画界の鉄則(笑)。永遠不滅のマカロニ・ヒーロー、ジャンゴを生み出した「続・荒野の用心棒」(’66)やレオーネ監督の集大成的な西部劇「ウエスタン」(’68)、日本中の女性のハートを虜にしたイケメン俳優ジュリアーノ・ジェンマの「荒野の1ドル銀貨」(’65)などなど、次から次へとヒットを連発。ブームの全盛期には、年間で70本以上の西部劇がイタリアで作られていたのだとか。あまりにも当たるもんだから、西部劇を1本作れば1年間食っていけるという制作会社もあったそうです。

そんなマカロニ・ウエスタンの魅力とは、なんてったって壮絶なバイオレンスとアクション。クールでスタイリッシュなガン・アクションや奇想天外なガジェットも盛りだくさんでした。さらに、勧善懲悪なハリウッド産西部劇とは違って、善と悪の境界線も曖昧な世界観も特徴的。反権力的なメッセージが強い作品も多かった。「殺しが静かにやってくる」(’68)なんて、ヒロイン惨殺、ヒーロー銃殺、悪人高らかに勝ち誇る!という前代未聞の問題作でしたもんね。

ただのブームに終わることなく、ハリウッド西部劇にまで多大な影響を与えたマカロニ・ウエスタン。マカロニ以前とマカロニ以降では、西部劇そのもののあり方が180度変わってしまいました。マカロニの生んだスーパースター、フランコ・ネロも出演したタランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」(’12)など、オマージュを捧げた映画も少なくありません。日本でもマカロニは大ブームを巻き起こし、いまだに中高年層を中心に熱狂的なファンがいます。

 

↑セルジオ・レオーネ監督

 

さてさて、前説だけでだいぶ文面を割いてしまいました(笑)。

 

で、このたびイタリアで作られることが決定したのが「Colt」というタイトルの西部劇ドラマ。制作するのはレオーネ・フィルム・グループ。そう、マカロニ・ウエスタンの立役者であるセルジオ・レオーネ監督の愛娘ラファエッラ・レオーネが代表を務める制作会社です。しかも、’89年に亡くなったレオーネ監督が生前にテレビ用として温めていた企画なのだとか。

ストーリーの中心は「荒野の用心棒」の主人公も使っていたコルト拳銃。6発の銃弾を装着できることから、それぞれの銃弾にまつわるエピソードを全6話で描いていくのだそうです。

ヒントとなったのは、1挺のウィンチェスター銃が人から人の手に渡っていく過程で、それぞれの持ち主の人間ドラマを描いたアンソニー・マン監督の傑作西部劇「ウィンチェスター’73」(’50)。名脚本家セルジオ・ドナーティやフルヴィオ・モルセッラと共同で脚本を準備していたレオーネ監督は、よりリアリズムを重視した西部劇を作りたいと考えていたそうですが、結局のところ草稿を書き上げた段階で御蔵入りにしてしまったみたいです。

ラファエラ・レオーネによると、全体的なあらすじとしては、西部開拓時代の無垢な若者たちがやがて無法者へと成長していく過程を、一挺のコルト拳銃を通して描くことになるとのこと。そちらの人間ドラマ部分は、タイロン・パワーとヘンリー・フォンダが主演した西部劇「地獄への道」(’39)にインスパイアされているそうです。

なお、監督を務めるのはステファノ・ソリーマ。「復讐のガンマン」(’66)や「決斗のジャンゴ」(’67)などの骨太な傑作マカロニ・ウエスタンを撮ったセルジオ・ソリーマの息子です。

 

↑マフィア映画「暗黒街」('15)がヨーロッパで大ヒットしたステファノ・ソリーマ監督

 

国際マーケットを狙って英語で制作される本作は、ロケ地も往年のマカロニ・ウエスタンが撮影されたスペインのアルメリア地方ではなく、アメリカでの撮影を予定しているのだとか。見るからにアメリカっぽくないロケーションの醸し出す雰囲気もマカロニ・ウエスタンの醍醐味だっただけに、これはちょっとどうかな…と思ったりします。

 

ちなみに、レオーネ・フィルム・グループでは今後、巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督のマフィア・ドラマも企画しているらしいので、そちらも期待したいところです。

 

情報ソース http://variety.com/2016/tv/news/sergio-leones-sons-set-to-produce-spaghetti-western-tv-series-titled-colt-exclusive-1201782724/

 

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なかざわ ひでゆき

'21年でキャリア30年目を迎える映画&海外ドラマ・ライター。旧ソ連モスクワ育ち。日...

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mnm

2021/01/18 02:34

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