クストリッツァ作品といえば何を思い浮かべますか?無垢な動物たち、ガチャスカにぎやかな音楽、インチキっぽいけどかわいらしいおもちゃが陳列したような雑多感、それとも戦争、紛争、喪失…?
それらすべてがごった煮になった、単独での監督作としては実に9年ぶりの新作が日本公開されます。『オン・ザ・ミルキー・ロード』はとあるミルク運びの男の物語。演じるのは監督本人!監督の映画を一本でも観た事がある方ならおわかりでしょうが「エネルギッシュ」という言葉そのものな作品ばかりなので、それに監督・主演の二役は60歳を過ぎて素晴らしいとしか言いようがありません。まあスコセッシやヴァーホーヴェンなど、60歳70歳過ぎても異常に元気な監督はたくさんいるのでまだまだこれからも新作を撮ってほしいのですが。
今回のクストリッツァ作品はラブストーリー。結婚式だけはいろんな作品で印象的に描かれてはきましたが、実は真正面から恋愛をメインテーマにした作品は初めてに近いかも。しかし先に述べたように主演は60過ぎの監督ご本人。つまりは「老いらくの恋」な訳です。そのお相手は「イタリアの宝石」ことモニカ・ベルッチ様!今年で53歳ですが今作ではシワなども込みでとても自然な美しさでした。「何をやってもイノセントに見える」という監督の起用理由に納得です。それはもちろん幼稚な処女願望なんかじゃなく、長い人生で酸いも甘いも乗り越えた先にあるイノセント という感じ。役名に名前がなく「花嫁」としか表されないところもなんともミステリアス。
実は今作はWヒロインものでもあります。主人公に片思いしている若く美しい村娘・ミレナの、挑発的で溌溂とした魅力も見所のひとつ。クストリッツァ名物ドンチャン騒ぎで踊りまくったり、新体操を披露したり…主人公を振り向かせようとあの手この手を尽くす姿がかわいい。その兄・ジャガを演じるのは『アンダーグラウンド』マルコ役などの常連俳優、プレドラグ・“ミキ”・マノイロヴィッチ。主人公の男女とは対照的な生命力を放つ兄妹として描かれます。
そして忘れてはならない、クストリッツァ作品といえば数々のかわいい動物たち!今作もポスターからわかるように、常連のアヒルなどたくさん出てきます。なぜいつもクストリッツァは動物を撮るのがうまいのか?誰もが不思議に思うことでしょう。今回は本物のクマとスキンシップするシーンがあるのですが、それについてのインタビューでは「80kgの頃から一緒に遊んでるから(※現在は300kgぐらいあるそう)」とのことでした。kgで言うところが本物だな〜〜
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