
Happy Birthday!
本日お誕生日ヴァネッサ・カービー
LOS ANGELES, CA - FEBRUARY 11: (L-R) Actor Chris Cooper, executive producer Bridget Carpenter, actor James Franco, executive producer J. J. Abrams, actress Lucy Fry, actor Daniel Webber, actress Sarah Gadon, and actor T. R. Knight attend the Premiere of Hulu's '11.22.63' at the Regency Bruin Theatre on February 11, 2016 in Los Angeles, California. (Photo by Frederick M. Brown/Getty Images)
“11/22/63”という奇妙なタイトル。
これは1963年11月22日、アメリカはテキサス州ダラスで当時の大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された日付だ。
その後、リー・ハーヴェイ・オズワルドなる人物が逮捕されるも衆目の中で殺害され、真相は未だ謎のままというアメリカ史においても最大のミステリーと言っていい事件である。
いわば語りつくされたネタにホラー小説界の巨匠スティーヴン・キングが“タイムトラベル”というベタな設定をぶつけたのが本作だ。
筆者は現在OA中の4話までしか見ていないが、これがグングン面白くなってきている。ここまでの見どころを解説したい。
主人公ジェイク(ジェームズ・フランコ)は妻にも去られた冴えない文学教師。
ある日、行きつけのダイナーの店長アルから「奥のクローゼットをくぐると1960年にタイムスリップできる」と告げられる。
このどストライクな状況設定!
それでも真っ暗なクローゼットをくぐって突如、古き良きアメリカに飛び出してしまうシーンは衣装、美術らプロダクションデザインの上手さもあって見た目に楽しい。
ジェイクは余命いくばくもないアルからケネディ暗殺を阻止する使命を託される事となる。
ここでポイントとなるのが肝心の1963年ではなく、何度クローゼットをくぐっても1960年からしかスタートできない事だ。主人公はここで3年間、生活しなくてはならないのである。
わずか50年ほど前とはいえ、未だ人種差別が根強かった当時の社会状況に現代人ジェイクの目線で接していくのが面白い。ドラマでは時間経過が早く、おそらくより詳細な描写がされているであろう原作に興味が募る。
しかし、ジェイクが歴史改変を試みようとするとまるで超常現象のような怪異が起きる。アルはそれを「時間が変えられる事に反発している」と言った。
不気味な現象の数々にJJ製作「LOST」で感じた背筋の寒さを思い出して、これがまた堪らない。
主演のジェームズ・フランコは「スパイダーマン」で世界的に有名になり、その後「ミルク」や「127時間」で演技派スターとしての地位を確立。
最近はジャド・アパトウ一派“アパトウ・ギャング”の連中とつるんでコメディによく出演しており、「ディス・イズ・ジ・エンド」「ナイト・ビフォア」などでは本人役で想像を絶するアホ演技を披露するなど個性的な俳優である。
ヒロイン役のサラ・ガドンはクローネンバーグ親子やドゥニ・ヴィルヌーブといった鬼才監督に愛されるカナダ人女優。絶世の美貌で異色の映画に華を添えてきたが、ここでは60’sルックでキュートな魅力を振りまいている。時代を超えた2人の恋模様にもハラハラさせられる。
第4話でようやく実行犯オズワルドが登場する。
「24」のようなクリフハンガータイプのドラマを見てきた人にはちょっとゆっくり過ぎるペースに思えるかもしれないが、これが全9話で構成されるミニシリーズの醍醐味だ。
映画のような2時間枠に無理やり収められたダイジェスト版でもなければ、視聴者を繋ぎ止めるための行き当たりばったりな延命処置もない。
ミニシリーズには作者が物語を然るべきペースで語るための適切な時間が流れている。この時間の流れに反発する事なく、最後までじっくりと味わいたい作品だ。
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