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【おすすめ洋書】イギリスが舞台のヤングアダルト小説3選

こんにちは。イギリス英語 通訳者・翻訳者の川合亮平です。

”読書の秋”(誰が決めたのだろう?)ということで、イギリスが舞台のヤングアダルト小説を3冊紹介します。
著者も全員イギリス人です。
(ロンドンの書店をうろうろして本を買い求めるのが好きなんで、僕の洋書体験はやっぱりイギリス系に偏っております)

ヤングアダルトというジャンルは主にアーリーティーン〜ティーネイジャーを読者層としているんだと思いますが、大人が読んでも十分楽しめる、いやむしろ、大人だからこそ深みが味わえるヤングアダルト洋書小説は少なくないと思っています。

また、ヤングアダルトのジャンルは日本人読者にとっては英語が比較的簡単(読みやすい)で、”挑戦しやすい洋書”であるという側面もあります。
いわゆる文学文学した小説は英語自体が難しかったりするケースもありますが、ヤングアダルト小説は全般的に平易な英語で書かれていることが殆どだと思います。

以下に紹介するおすすめの3冊、ピンとくるものがあったら是非手に取ってチャレンジしてみて!

1冊目:A Monster Calls

Amazon | A Monster Calls | Patrick Ness, Siobhan Dowd | Fantasy

ロンドンの本屋さんを物色しながら、“静かで力強い”物語を探していました。

なぜかと尋ねられれば特に理由はないのですが、その時とにかくそんなムードだったんです。

当時ロンドンでヒットしていた映画の1つが“A Monster Call” で、チューブの広告でもしょっちゅう目にしていたんですね。
その広告イメージが “静かで力強い”感じがとてもしていたんです。

そして、本屋さんで原作本に出会った時、事前知識は全くなかったんだけど、迷わず手に取りました。

僕の勘に狂いはなかった。まさにまさに、“静かで力強い”でした。

内容が込み入っていて、展開が早い、そんな物語ではなく、
少年の内面世界をじっくり描く作品なんで、ストーリーについては敢えて書きませんが、胸にグイグイ迫ってきました。

この小説が完成した過程も実はとても興味深く、元々は、Siobhan Dowdさんという作家が案を立てて書こうとしていた作品だったんです。
(Sobhanさんは、この記事の3冊目として紹介する本の著者です)

彼女は、イギリスの女流児童作家で、これまで出版された4、5冊の著書はすべて様々な賞を受賞しているという将来を期待されていた作家の一人だったのです。
でも、この“A Monster Call” を書き始めた時、若くして病のため亡くなりました。

それを、本書の著者であるPatrick Ness氏が引き継いで、完成させました。

この誕生秘話とリンクするように、本作“A Monster Call” も、死と再生がテーマなんです。

おすすめですよ。

日本語翻訳版も発売になってます。

怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1) | パトリック・ネス, ジム・ケイ, シヴォーン・ダウド原案, 池田 真紀子 |本 | 通販 | Amazon

映画化されて日本でも公開になりましたね。 僕は観てないんだけど、観た人からポジティブな感想を聞きました。

Amazon | 怪物はささやく [DVD] | 映画

2冊目:The Curious Incident of the Dog in the Night-time

Amazon | The Curious Incident of the Dog in the Night-time (Vintage Future Classics) | Mark Haddon | Action & Adventure

翻訳書の邦題は『夜中に犬に起こった奇妙な事件』。
英国の作家Mark Haddonの作品。

キャッチーなのかそうでないのか判然としない、でも印象にすごく残るタイトルですよね。

2015年の第69回トニー賞(舞台のアカデミー賞といわれている賞)で、作品賞を受賞した事をきっかけに僕は知りました。

トニー賞だけではなく、この原作本(2003年刊)も数多くの賞を受賞しており、Amazon UKでもすこぶる評価が良いです。

とにかくタイトルが素敵なので、物語の予備知識はなしにロンドンの書店の“ヤングアダルト”のコーナーで手に取って購入し、その後数日間かけて一気に読了に至りました。
(ヤングアダルトのコーナーにありましたけど、この作品、どっちかというと大人向けの内容だと思うな)

舞台は、現代の英国(Swindon⇄London)。主人公は15歳の少年。
彼はある晩、近所の犬が殺されているのを発見するんですが、それをきっかけに物語は進んでいきます。
ミステリー的な要素もありますし、家族・対人関係をテーマにした人間の内面を描く物語でもあります。

そしておそらく、この本の1番の特徴は、主人公のクリストファーがアスペルガー症候群である、ということ。 彼の1人称で物語は進んでいくんですが、彼のモノの味方とか考え方、そして行動がユニークで、その部分にぼくは強くひかれました。

1流のエンターテイメント作品として心から楽しんだだけでなく、
1人の父親として、子どもへの接し方(そして広い意味で人への接し方)を考えさせられた作品でした。

読書の喜びが感じられる1冊ですよ。

あ、そうそう演劇もロングランで英国各地で上演中なんですよね。
観に行きたいなと思っています。

翻訳書です。

夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハヤカワepi文庫) | マーク・ハッドン, 服部 一成, 小尾 芙佐 |本 | 通販 | Amazon

3冊目:The London Eye Mystery

Amazon | The London Eye Mystery | Siobhan Dowd | Literary Criticism & Collections

ジャケ買いでした。

だって、見てくださいよ、この表紙。

ビッグなベンをバックに、ロンドン・アイをポップにあしらった素敵な表紙デザイン。

そして内容が、ロンドンを舞台にしたヤングアダルト向け、ライト・ミステリーときたら、もう鼻息荒く手に持ってレジに並ぶしかないでしょ。

僕自身は、ロンドンアイから徒歩5分のサウスバンク・センターに入っているFoylesという、品揃え豊富で数時間ウロウロすることも全く厭わない本屋さんで買い求めました。

本の概要は、強気なティーンエイジャーの姉と、ユニークな弟の姉弟が、ロンドンアイで起こったある失踪事件解決にのぞむ、というもの。

テンポよく軽快に読み進められます。とっても良く出来た作品。

作者のSiobhan Dowdさんは1冊目の紹介時に触れたとおりです。
この作品は彼女の代表作でもあるんですが、彼女の作品、もっと読みたかったなぁと思わせる1冊です。

ロンドンアイに搭乗したついでに是非読んでほしい1冊!
おすすめですよ。
表紙は部屋のインテリアとしても抜群だし。

ちなみに、今はこれを読んでます。読み終わったらまたレビューするね。

この作品もイギリス作家・イギリスが舞台。

Amazon | The 1, 000-year-old Boy | Ross Welford | Family Life

いかがでしたでしょうか?

「これは!」という本はありましたか?

3冊ともジャンルとしては一応「ヤングアダルト」ということになっていますが、特にMonster CallとCurious Incidentは大人向けだとしても全然納得する内容だと思います。
(だって、日本語版は2冊とも基本的に大人向けとして売られてますよね?)

ところで、最近東京の本屋をウロウロしていて氣付くこととして、翻訳モノのヤングアダルト書籍が元気だと思うのは僕だけかな?

ざっと見るだけでも、映画化にもなって大ヒット『ワンダー』をはじめ『暗号クラブ』とか『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』とか『カラヴァル 深紅色の少女』とか、”翻訳モノのヤングアダルト書籍”がズラーっと展開されていたりするし(少なくとも僕の訪れたいくつかの書店では)。

個人的に胸がときめくジャンルなんで、僕もそのうち翻訳チャレンジしてみたいなと思っています。

川合亮平でした。




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川合亮平

通訳者・翻訳者。 東京在住 関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の...

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ジョアンナ

2021/10/08 18:23

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