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『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』をもっと楽しむための3つのイギリス英語

© 2018 Scandal Productions LTD. All Rights Reserved.

こんにちは、イギリス英語通訳・翻訳者の川合亮平です。

僕は20年ほど前にイギリス英語の音に魅了され、その時に「よし、イギリス英語を話すぞ」と決意して今に至ります。

過去20年、意識的にイギリス英語にできるだけ触れてきたわけですが、一番最初に“イギリス英語”を強く意識したのが何を隠そう、今回紹介するBBCドラマ『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』のW主演の一人である、ヒュー・グラント氏のイギリス英語だったのです。

当時は何も知らずにとにかく頭ごなしにヒュー・グラントさんの英語をコピーしては一人で悦に入っているような、少々イタい青年だったのですが、当時付き合っていた英国人のガールフレンドに「気持ち悪いから今すぐやめて」と一蹴されて、かなりシュンとなったのを覚えています。

なぜ気持ち悪かったのかということですが、ヒュー・グラント氏の英語って、かなりポッシュ(意味:上流階級的に気取っている)な部類に入るんですよ。多少わざとキャラ作りの部分もあるかとは思うのですが、そもそもオックスフォード卒という事実もあり、地の部分でもポッシュな方なんですね。そういう種類の英語を、大阪の下町に住むド庶民の日本人の男の子が話そうとしていたわけですから、まあ当時の彼女の辛口コメントにも納得ができます(それにしても少しはオブラートに包んでほしかった)。

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かなりの快作です『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』

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この作品の制作が発表された当時、題材が題材だし、役者さんが役者さんだけに、英国でも結構話題になっていろんなメディアで報道されていました。

僕としても、ヒュー・グラント氏は前述のように気になる存在だし、W主演のもう一人であるベン・ウィショー氏とは誕生日が一緒で随分前から勝手に親近感を抱いているので、「おお、これは!」となったんです。

でも(本国での)放送前の紹介記事であらすじを読んでると「なんだか陰気そうな感じだなぁ」という印象で、最初のインパクトほどは興味がそそられなかったんですよね、正直。

しかし!その想像は全くの的外れだったことが本編を実際に見て判明しました。

ジャンルとしては確かに“愛憎ミステリー”なんだけど、どこかコミカルであっけらかんとした雰囲気も全体的に漂っていて、ストーリー展開のリズム感もあり、シリアスとライトのバランス感覚が絶妙な作品でした。それはやはり主演二人のチカラなんだと想像します。

原題は『A Very English Scandal』で、ニュアンス訳するなら『めっちゃイギリスっぽいスキャンダル』になります。
このタイトルに偽りはなく、そこかしこに“イギリス的な”匂いが漂う演出も(僕のような)イギリス・ファンにはたまらないと思います。

あと、Very English(めっちゃイギリスっぽい)部分は、この作品の全体のトーンにも表れていて、90%は本気なんだけど、10%はどこかはすに構えているというか、マジになりすぎないかっこよさって、すごく英国的な価値観と僕は感じているんですが、そういう部分も個人的にはすごく楽しめました。


では、以下からは、このドラマに登場するVery Englishは言葉を3つ紹介していきます!

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イギリス英語 その1『クイーンに乾杯!』

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Her majesty(ハー・マジェスティー)

女王陛下の呼び名です。

つまり、イコールQueen(クイーン)ということですね。

繋げて、Her Majesty the Queenというのが正式な名称。

現在のHer Majesty the Queenはエリザベス2世ですので、
もし万が一、億が一、エリザベス2世と直接会うことになったその時は「Her majesty」と呼びかけるのが正しいマナーなので覚えておいてくださいね。

ちなみに“正式名称”ということでいうと、僕の大好きなキャサリン妃の正式名称は
The Duchess of Cambridge(ケンブリッジ公爵夫人)となります。

『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』の劇中では、
「乾杯!」という意味で「To Her Majesty!」というフレーズが使われています。

女王陛下に乾杯!ということですね。特に王室関係者ではなくても、こういう風な乾杯の音頭をとることは珍しくありません。

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イギリス英語 その2 『彼は良い奴』

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劇中に登場するセリフ:He’s a perfectly decent chap.「彼は、とにかく良い奴だよ」

このChap(チャップ)も、Very English(とってもイギリス的)な単語の1つです。

男性を表すスラングで、manや、guyと同じように使われるんですが、chapはどちらかというとポジティブな文脈で使われることが多い印象です。

この場面でも、decent(意味:良い)という形容詞が付いていますしね。

Good chapとか、Nice chapとか、ポジティブな形容詞と一緒に良く使います。

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イギリス英語 その3 『じゃあ!』

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Cheerio!「じゃあ!」

Cheerio(チェリオ)は、「さよなら」というカジュアルな挨拶として使うVery Englishな単語です。

どちらかというと、若干オールドファッションな言葉のようで、確かに今の若者が口にしているのは聞いたことがないかも。
北米の若者などはまず口にしない表現でしょうね。

古き良き英国感を「さよなら」に込めたい方は是非積極的に使ってみてくださいね。

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イギリス的な建物といえば・・・

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ちなみに、このドラマの1つの舞台になっているのが、ロンドンのアイコニックな建物:the Palace of Westminster(ウエストミンスター宮殿)。

劇中のセリフにも、

No dogs allowed inside the place of Westminster.
(ウェストミンスター宮殿の中は犬は入っちゃだめだよ)
というのが登場します。

英国議会が議事堂として使っているのがこのウエストミンスター宮殿なんですね。
あの超有名なビッグ・ベンがある場所です。
(観光地として内部見学も可能です)

あまり知られてない事実かもしれませんが、このウェストミンスター宮殿(ビッグベン含む)の建物群(ウエストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会)は、まとめて世界遺産に登録されているんですよ。

あと、ロンドン近郊の世界遺産といえば、海洋都市グリニッジのエリア、キュー王立植物園、そして、ロンドン塔があります。

あ、そうそう、ロンドン塔が舞台となった歴史ドラマ『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』シーズン1での主演もベン・ウィショー(リチャード二世役)さんでしたね。

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とにもかくにも、英国を代表するといっても過言ではない実力派俳優二人が(文字通り)体当たりで魅せてくれる傑作ドラマです。

見た後、何かが心の中に残る、そんな中身のある作品ですので気になった方は是非チェックしてみてくださいね。

川合亮平でした。

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■放送情報

「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」 

AXNミステリーにて 字幕版 日本初放送! 

先行一挙放送

4月20日(土) 夜10:00~

英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件 | AXNミステリー

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■4月3日 DVDレンタル&発売

英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件 | ソニー・ピクチャーズ公式

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

akki

2019/04/05 18:34

アメリカのドラマ専門でイギリス英語にはあまり馴染みがありませんが、Netflixの「ザ・クラウン」や「ダウントンアビー」でかなり特徴がつかめましたね。イギリス映画はほとんど見ませんが、ヒューグラントの出演映画だけはかなり見ています。このドラマも早くNetflixで見たいものです。

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monogusatarou

2019/03/19 00:32

英語の関する話はいつも楽しく拝見しています。
もともと英国ミステリーが好きで、クイーンズイングリッシュなどと聞いてはどんなものなのかなと思っていただけなので、
毎回の解説を読むことを楽しみにしています。
今後もよろしくお願いします。

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川合亮平

2019/03/27 10:01

どうもありがとうございます!

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talisman

2019/03/17 21:35

先日「英国男優を愛でる会」に参加させて頂いた際、出席者の皆様の一押しがこの『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』でした。私は昔からヒュー・グラントの大ファンですの今から見る気満々ですが、その前に川合様のイギリス英語講座を読む事が出来て本当にラッキーです。私もイギリス英語に憧れており、あんなふうに話せたらすてきだななんて思いながらわかるところは後から発音しています。

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川合亮平

2019/03/27 10:02

そうだったんですね、確かにすごく良い作品です。
ご親切なお言葉どうもありがとうございます!

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川合亮平

イギリス英語 通訳・翻訳者。 関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の...

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