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【海外ドラマLEGEND】アメリカテレビ界の女王~ルシル・ボール

『アイ・ラブ・ルーシー』より

American actress and comedienne Lucille Ball (1911 - 1989) (left), as Lucy Ricardo, talks on the telephone in a scene from an episode of the television comedy 'I Love Lucy' entitled 'Job Switching,' Los Angeles, California, May 30, 1952. The episode was originally broadcast as the opening episode of the show's second season, on September 15, 1952. (Photo by CBS Photo Archive/Getty Images)

<業界の常識や人種差別を打ち破ってのテレビ進出>

 ‘47年にはかつて半年ほどで解雇されたコロムビアへ復帰。『腰抜け顔役』(’48)や『腰抜け千両役者』(’50)では、古くからの友人であるショービズ界の帝王ボブ・ホープと名コンビぶりを披露しました。その一方で、当時アメリカ庶民に人気だったラジオ・ドラマの仕事も受けるようになり、’48年に始まった「My Favorite Wife」が大評判に。やがてテレビ受信機がアメリカの一般家庭に普及すると、コロムビア傘下の放送局CBSはルーシーを主演にテレビシリーズを企画します。その際に彼女が提示した条件は、実生活の夫デジ・アーナズをヒロインの夫役に起用すること。しかし、それが原因で企画は頓挫しかけてしまいます。

 というのも、当時のアメリカはまだ人種差別が根強い時代。アングロサクソン系白人女性と移民のラテンアメリカ系男性が夫婦だなんて、とてもじゃないが一般視聴者には受け入れられないだろうとテレビ局側は考えたのです。「えっ、実際に私たち夫婦なんですけれど?」と当時のルーシーは思ったとのこと。そこで、ルーシーとデジは夫婦共同で独立系制作会社デジルー・プロを設立。古い付き合いの劇場経営者から借金をして『アイ・ラブ・ルーシー』のパイロット版を制作し、大手たばこ会社フィリップ・モリスをスポンサーに獲得します。ただし、フィリップ・モリスから出された条件は、当時のテレビ界で主流だった生放送は東海岸と西海岸で放送時間の差が出てしまうのでNG。さらに、ビデオテープがまだ存在しない当時、唯一の安価な録画メディアだったキネマスコープも画質が悪すぎるのでNG。つまり、映画と同じようにスタジオでフィルム撮影して焼き増しする必要があり、おのずと製作費が高くついてしまうわけです。

 そこで、ルーシーとデジは自分たちの出演料を安く抑える代わり、番組の著作権がデジルー・プロに100%帰属するよう契約。そうすれば、放送終了後も自由に他局と再放送の契約を結び、継続的に利益を上げられると考えたんですね。今でもアメリカのテレビドラマは制作会社が100%の著作権を所有し、あくまでも放映権だけをテレビ局に販売するという形を取っていますが、このスタイルを最初に導入したのがルーシーだったわけです。また、フィルム撮影によるテレビドラマ制作も、厳密には『アイ・ラブ・ルーシー』が初めてというわけではない(高額だが画質の良い35ミリフィルムの使用は本作が初めて)ものの、これをきっかけに広く普及して一般的になりました。

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rei

2020/01/31 01:24

子供の頃にピクルスの格好のおばさんがいったいなんのドラマだったのか、最近調べて知ることができ、いつかその回を観ることができたらこの上なく幸せです。この記事でルシルボールのことを知れたことも私にはとてもタイムリーで嬉しかったです。記事を書いていただき有難うございます。

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なかざわ ひでゆき

2020/01/31 09:50

コメントありがとうございます。
そう言っていただけると記事を書く励みになります。
どうしても日本だと昔の海外ドラマの情報が少ないので、今後もいろいろと発信できればと思います!

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なかざわ ひでゆき

'21年でキャリア30年目を迎えた映画&海外ドラマ・ライター。旧ソ連モスクワ育ち。日...

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めるべ

2021/03/25 21:49

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