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なんと、今や日本マーケットの4倍に拡大!中国映画界大躍進の秘密とは?

かつて日本はアメリカ・カナダに続き世界第2位の映画市場の地位を誇っていましたが、2012年以降、中国にその座を奪われました。それから4年、急成長を遂げた巨大な中国映画マーケットは世界中の映画関係者から注目を集めているのです。

結論からいうと、セミナー後の感想は「中国恐るべし!すでに日本は完全に抜かれていた!」です。中国のマーケットのあまりの急拡大ぶりに開いた口がふさがらず、驚きと羨望を感じずにはいられませでした。


東京国際映画祭の特別セミナー「中国映画界の今」では、写真左から中国最大手映画会社のトップてあるジャン・ピン氏、北京電影学院の学長ホウ・グァンミン氏、映画監督のフォ・ジェンチイ氏が現代中国映画界の実情を語ってくれました。

ホウ氏が学長を務める北京電影学院は映画に関する人材育成を目的とした名門大学で多くのスターや監督を輩出してきた学校としてその名を轟かせています。毎年、学年が誇る俳優がドラマや映画への出演を通して一躍人気を博しスターダムに駆け上ってきました。その中にはヴィッキー・チャオ、シュウ・ジンレイ、ホアン・シャオミンなど人気と実力を兼ね備えたスターから、チェン・カイコー、チャン・イーモウなど巨匠監督までずらり。

知名度抜群のブランド大学のため、日本の東大といわれる北京大学の文学部に入れる頭脳の持ち主までが、脚本科を受験するとか。いちばん人気の演劇科の競争率は、な、なんと今年、170倍というすさまじさだったそう。

「本学院では毎年400〜500名の新入生を募集。即戦力の実践の能力を身につけると共に未来に向けての人材育成を目指しています。ここ4〜5年は芸術と科学の完璧な融合、未来の映像の研究を進めています」
さらに、小、中学生の映像コンテストのプロジェクトを行い、映画の裾野を広げる努力をしているとか。

郵便配達員の父と後を継いだ息子の絆を描いた『山の郵便配達』で中国のアカデミー賞ともいえる金鶏賞最優秀作品賞および最優秀主演男優賞を受賞。さらにモントリオール世界映画祭観客賞も受賞したフォ・ジェンチイ監督も北京電影学院の卒業生です。また、03年には『故郷の香り』が東京国際映画祭最優秀作品賞を受賞しています。

「学院の同期にチャン・イーモウ、チェン・カイコーがいます。僕は美術科、チャンは撮影科でした。学科は違っても、映画を作る知識はみんな共有していたので、お互い専門分野を持ちながら力を合わせて作品を作る、自分の撮りたいものを撮るという気風が当時からありました。1時間の作品を10分づつ分担して監督したこともありました」
卒業後、美術やスプリクターを約10年やり、監督デビューしたフォ氏。
「社会が何を求めているかは考えない。人間の本質、情感をどうとらえるか。そのなかで自分の思いをどう表現するか、追求するかが、映画芸術の魅力だと思います」
今年の東京国際映画祭で好評を博した最新作『大唐玄奘』  三蔵法師の天竺への苦難の旅を壮大に描いた本作にも、その志が貫かれていました。

美人女優ファン・ビンビンのデビュー作をはじめ、モスクワ国際映画祭監督賞を受賞した『チベット恋物語』まで数多くの作品を手がけた経歴を持つジャン氏。現在はアジア最大のロケスタジオ、デジタル撮影のスタジオを持つ大手映画会社の代表です。
「中国ではすごいスピードて映画産業が急成長しています。昨年の劇場公開作はアニメやドキュメンタリーを除き686本。今年の1月から6月までの興業収入は356億元(約5478億円)でした。現在、全土に約3万8700館の映画館があり、毎月、新しい映画館ができている状態です」
日本映画製作者連盟(映連)の調査によると、2015年度の日本の興業収入は約2171億円だから、わずか半年で2倍以上の興収を達成しているのです。

かたやジャパン・コンテンツ・ショーケース(主催:経産省、音楽産業・文化振興財団、ユニジャパン、日本動画協会)では、「中国映画市場を解読せよ!ー中国トッププロデューサーに聞く」が開催されました。

こちらでは、写真左からボナ・フィルム・グループのCOOを務めるジェフリー・チャン氏、フェイシング・イースト・エンターテイメントのプロデューサーであるフィリップ・リー氏、上海ディメンション・フィルム・カンパニーのボードチェアマンであるホアン・ジエンシン氏がパネリストとして出席。日中合作や、アジアの映画市場について考えを述べました。

チェン氏は中国の大手映画配給会社でCOOを務め、アンディ・ラウ主演作『桃さんのしあわせ』や日本、中国、香港、韓国合作でアンディ・ラウ、アン・ソンギが主要キャストを演じた「墨攻(ぼっこう)』のプロデューサーとしても知られています。


「私が9年前に日本のコミックが原作の『墨攻』を手掛けたときは1億元の興業収入で、年間ベスト3に入りました。でも、いまその金額だと大失敗。中国のマーケットは成長して、いまは日本の4倍の規模になっています」

日大芸術学部の大学院と米国で映画を学んだリー氏。チャン・イーモウ監督×ジェット・リー主演の『英雄〜HERO〜』などハリウッド出資によるアジア映画製作に関わってきました。最近では、レオナルド・ディカプリオ主演のアカデミー賞受賞作『レヴェナント・蘇りし者』などのハリウッド大作のプロデューサーを務める出世ぶりです。
「チャン・イーモウもチェン・カイコーも黒澤明監督の大ファンで作品を研究していました。アメリカだけでなく日本との合作も手掛けたいと考えていますが、やはりコンテンツがすべて。コンテンツがよければ資金調達は難しくないと思います。日本にはコミック以外にもいい作品がある。例えば三島由紀夫の『豊穣の海』のような名作をリメイクしてみたいです」
日本との合作にも前向きですが、現在は、20年来の友人でもあるテレンス・マリック監督の最新作を手掛けています。

 

ホアン氏の監督作は国内、国外で約60の主要な賞を獲得しており、建国60周年を記念する大ヒット作『建国大業』で監督とプロデューサーを務めました。
「中国はスタートアップが遅かったので過去のやり方に頼りがち。だから私の作品では美術や音楽など才能のある日本人の力を借りたこともありますが、これまでは個人のスケールの協力が中心でした。例えば、『アバター』はハリウッドが5年間人体を研究し尽くして制作した作品です。今後は日本をはじめアジアチームが障害を乗り越え手を組んでハリウッドに対抗する方法を見つけることが重要ではないでしょうか」

今回の東京国際映画祭でも上映された大ヒット作『メコン大作戦』ではプロデューサーを務めるホアン氏の大局的でポジティブなコメントが印象的でした。
近い将来、アジア各国が手を組んでハリウッドを超える合作映画が制作されることに期待したいですね。

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村上淳子

海外ドラマ評論家/映画ジャーナリスト  「ニュースよりドラマを観るほうがその国が...

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2021/08/28 19:42

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