2001年に公開された映画『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』は、とあるサマーキャンプの「最終日」を描いたコメディです。
サマーキャンプとは、日本でいうと林間学校のようなイメージでしょうか。
劇中では、学校や地域もバラバラに集まった小学生ぐらいの子供たちが親元をはなれ、リーダーとなる中学生程度の子供やキャンプの管理人である大人たちと一緒に、山奥で8週間のキャンプ生活をします。
はじめは「ジュブナイルものなのかな?」と思って観ていたのですが…次第に「あれこの話、全体的にどうかしてるぞ」と気づきます。
ちょっと街に買い出しに行った子供たちが、あっという間にヤク浸りの廃人ジャンキーになって、次の瞬間には何事もなかったかのようにキャンプに戻ってきたり。
NASAの宇宙ステーションがキャンプに落下してくることが判明して、子供の工作のような機械で衛星の軌道を変えたり。
この映画、つじつまや時系列やリアリティを全て無視して、ともかく思いついたネタを詰め込みに詰め込んだ、ボケ倒しのコメディなんですね。ぼんやりしていると「え、ちょっとちょっと!」と展開の突然さにおいていかれるほど。
そのナンセンスな笑いで、本作はカルト的な人気となりました。
そしてこの映画の「前日談」が、14年後に制作された『ウェット・ホット・アメリカン・サマー:キャンプ1日目』です。
タイトルどおり、映画の舞台となったキャンプの「1日目」の模様が描かれます。
しかも主要なオリジナルキャストが続投!
つまり14年歳をとりながら、16歳の青年を(そもそも映画の段階でだいぶ無理があったのに)引き続き演じてるんです。
顔があまり変わってないキャストもいますが、「だいぶおじさんになりましたね…」というぐらい見た目がぜんぜん映画と繋がらない方も。時系列的にはドラマ→映画という流れになんですけど、そんなことは気にしないんですね。
いまやハリウッドスターの『ハング・オーバー!』のブラッドリー・クーパーや『アントマン』のポール・ラッドなど、オリジナルキャストの再集合もかなり豪華ですが、新キャストとして『グランド・ブダペスト・ホテル』のジェイソン・シュワルツマンや『スター・トレック』シリーズのクリス・パインも出演しています。
ドラマ版の第1話を観ると、映画とは異なる人間関係や、映画にはいなかった新キャラクターが多数登場します。
「そうか、映画とドラマは世界観だけ一緒の別のお話なのね」と思って観ていると、次第に状況が映画に(わりと強引に)寄せられていきます。つまり新キャラは途中で死んだり、キャラの人物設定が途中で変貌したり、というか見た目が突然映画寄りに変化するんです。
「そんな無茶苦茶な!!」と思いますが、これがなんでもアリの「ウェット・ホット・アメリカン・サマー」。いやはや、もう最高です。
相変わらず突然のトンデモ設定で、今回は大統領も関与する政府の陰謀に巻き込まれたり、かと思えば子供たちのウブな初恋物語が描かれたりと、映画以上に気持ちの置きどころがわからなくなる盛りだくさんな物語になっています。
来年2017年には『Wet Hot American Summer: Ten Years Later』という、ふたたびキャストが集合して10年後を舞台にした新シリーズも始まるとのこと。
まだまだ続く「ウェット・ホット・アメリカン・サマー」ワールドに乗り遅れるな!
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