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© Eleventh Hour Films Ltd

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こんにちは、

昨年、イギリスで若者を中心に大ヒットしたドラマ、『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』。

展開にスピード感があって、今のロンドンがものすごく鮮やかに描かれてるし、
キャラクター達も魅力的。

ストーリー・脚本が超一級品だからこそ、
逆に、ライトな演出でとても見やすくなっているのもこの作品の特徴です。

構えることなく、とにかく、手放しで楽しめる。

そんな、本物のストーリーを書き、
超一流の脚本を手掛けたのは誰か?

イギリスを代表する作家、アンソニー・ホロヴィッツ氏であります。

アンソニー・ホロヴィッツ氏

【アンソニー・ホロヴィッツ氏とは?】

イギリスを代表する作家で、最も多作な作家の一人。

代表作は:

■全世界で、9000万部以上を売り上げている、ヤング・アダルト小説『女王陛下の少年スパイ! アレックスシリーズ』
日本では、荒木飛呂彦氏のカバーイラストが印象的ですよね。

■アーサー・コナン・ドイル財団が『シャーロック・ホームズ』シリーズの正式な続編の執筆を初めて認めた作家がホロヴィッツ氏。これまで『絹の家』『モリアーティ』2作を発表。

■イアン・フレミング財団に依頼され、ジェームズ・ボンドシリーズの新作『007 逆襲のトリガー』を発表


■TVドラマは、「名探偵ポワロ」「バーナビー警部」「刑事フォイル」など大ヒットシリーズの脚本を手掛ける。

超人気作家:アンソニー・ホロヴィッツ氏に独占インタビュー!


さて、そんなアンソニー・ホロヴィッツ氏に独占インタビューをさせていただく機会に恵まれました。

先日、東京とロンドンを電話でつないで行ったインタビューの模様をこの記事にて独占公開します。

以下、氏の瑞々しい生の声をお楽しみください!

『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』がより一層楽しめる事請け合いです。


—ご機嫌はかがでしょうか?

ホ:良いですよ。実は、今、新作の小説を書き上げたばかりなんですよ。ですから、とても気分が良いですね。タイトルは「The Word is Murder」といいます。シリーズになる予定の刑事モノ、第1巻目です。発売は9月ですよ。

ーところで、今どこにいらっしゃるんでしょうか?

ホ:London中心部にある自分のオフィスにいますよ。とても細長い部屋なんですよね。窓を見渡せば、左側にThe Shard(高層ビル・展望台)、セント・ポール大聖堂なんかが見えます、右側には、Post Office TowerやTelecom Towerとして知られていた、(現)BT Towerが見えます。ここはロンドンが一望できる場所なんですよ。『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』のシーンに出てきそうな景色ですね。

—その場所で、『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の執筆もされたんですね?

ほ:その通りです。

—『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の執筆のためにその場所を選ばれたんでしょうか?

ほ:考え方としては逆ですね。ロンドンにずっと住んでいて、毎日ロンドンを見ています。それがまあ、New Bloodを書いたきっかけと言ってもいいかもしれません。つまり、TVドラマの脚本を書くためにロンドンに注目したのではなく、ロンドンに注目し続けた結果、この脚本を書く事になったんです。ロンドン(という街)が私をインスパイアしたんですよ。



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『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』誕生の背景

ー『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の話をしましょう。第1話を見たんですが、本当に素晴らしかったです。私はロンドンが大好きなんですが、ロンドンの魅力もバッチリ収められていましたね。展開もとってもエキサイティングだった。そもそも、どのようにしてこの『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』プロジェクトは立ち上がったのでしょうか?

ホ:そもそも若者にとても興味があるんですよ。若者を取り巻く環境というのは、この国の大きな社会問題なのです。それは特にロンドンのような大きな都市で顕著です。まず生活費が尋常じゃないほど高い、住宅を購入するのなんて不可能、仕事もなかなか見つからない、という状況です。
私がアレックス・ライダーのシリーズを書いていたとき、私の息子達は、10歳と8歳というような年頃でした。当時は、彼らの世界を観察しながら(アレックス・ライダーのシリーズを)執筆していたんですよ。息子達が、28歳と26歳になった今も彼らを取り巻く世界を描き続けています、今回は『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』を通じてね。Yジェネレーションの状況を知っていくうちに、彼らのリアルな姿を反映させたドラマを書いてみたいと思ったんです。若くて、新鮮で、テンポが良いスピード感のある物語を書きたかったのです。

—なるほど。そういうお気持ちから『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』が生まれたのですね。ある意味で、あなたの書く物語というのは、息子さん達の成長と同時進行してきた、と言えるわけですね。

ホ:その通りです。

—『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』は、あなたの息子さん達の世代(ジェネレーション)について描いた物語である、と。

ホ:全部ではありませんがその要素は強いです。

—そういった気持ちの変化があり、『刑事フォイル』をストップさせて、『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』を書き始めたのでしょうか?

ホ:「刑事フォイル」は16年間続いたシリーズです。1940年からスタートする物語を、1947年まで書いて来たんですが、もう書く事がないんですよ。もう書き尽くした感がありますね。ここら辺が潮時だと思いました。
それで次に何を書こうかと考えたとき、これまでとは全く趣が異なるアイデアが出て来たんです。
先ほども言いましたが、若くて、新しくて、リアルタイムの時代設定の物語です。
「刑事フォイル」は主人公が中年の男で、彼が運転する車は時速30マイル(約48キロ)だったですが、今私が書いていて楽しいのは、20歳の若者が自転車で街を疾走する姿なんです。

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インスパイアされた作品とは?

—キャラクター(ステファン)が自転車でロンドンの街を駆け抜けるシーンは、とっても良かったです。

ホ:そうでしょ、彼が重大不正捜査局(SFO)に向かうシーンですね。

—『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』、基本的には素晴らしい刑事ミステリーなんですが、同時に、ロンドンでの若者の生活、というサブ・テーマもあるんですね。

ホ:その通りです。そのテーマはわたしにとって大切なんですよね。(主人公の)ポーランド人とイラン人青年達のロンドンでのリアルな生活を描く事が。ミステリーを軸にしながらも、彼ら若者の住宅問題であったり、彼らがどのようなスポーツをしているかだったり、女性関係だったり、彼らの生活そのものを描いています。
執筆中は、彼らの生活バランスを意識しました。つまり、重大不正捜査局(SFO)だったり、警察で仕事をする場面と、彼らがオフの場面のバランスです。オフの場面というのは、(メインキャラクター2人)ラッシュとステファンの友情のストーリーですね。

—ロンドンの若者の生活というテーマを考えると、場合によっては、暗かったり惨めだったり時には残酷だったりするかもしれませんが、『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の全体の雰囲気としては、明るい感じに仕上げられたのでしょうか?

ホ:全体的な雰囲気は、80、90年代にヒットした映画「リーサル・ウェポン」にインスパイアされた部分がありますね。悪者は現実的で、事件そのものはダークで演出も過激なんだけど、同時に、何となく明るい雰囲気を持っている。それがあるから楽しめる作品になっている、という。
あと、日本ではどうか知りませんが、最近英国で放送されてるTVドラマの傾向は、北欧系の、とんでもなくダークなドラマなんですよね。誤解しないでくださいね、私個人的には好きなんですけどね、例えば、『THE KILLING/キリング』や『THE BRIDGE/ブリッジ』なんかは本当に素晴らしい作品ですからね、だけど、私としては、TVドラマを観て、純粋に楽しんで微笑みたい、という気持ちがあるんですよね。女性がバラバラにされたりとか、子どもが被害者になったりだとか、そういうのじゃなくて、気軽な持ちでTVドラマを純粋に楽しみたい、という気持ちが強かったんです(その気持ちが『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』の明るい雰囲気に反映されている)。

—いまおっしゃった事は本当によく分かります。その“純粋な楽しみ”というのは私も『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』を見ていて感じたことですから。

ホ:それは良かった。こちらの意図が伝わって。

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イギリスで大人気を博した理由は?

—このNew Bloodは、昨年英国で放送されて、素晴らしい評価を受けましたね。ネットを見れば分かります。

ホ:ものすごい反響でした。私がこれまで手掛けた作品の中で、ここまでポジティブな反響があったのは初めてですよ、特にネット上で顕著でしたね。嬉しいです。

—その現象についてどう思いますか?

ホ:その反響がすべて私の力によるものだとは勿論思っていません。素晴らしい製作チームに恵まれました。私の妻のジル・グリーンもプロデューサーの一人です。
彼女達には、本当に無理難題ばかりを押し付けていたんですがね。例えば、第3話のエンディングで、ホテルの上からスイミングプールへ飛び込むシーンがあるんですが、そんなシーンをロンドンで撮影しようとしたら、それはそれは骨の折れる作業になるんですよね。同時に膨大なコストもかかります。ですから、そんな私の脚本をことごとく映像にしてくれた製作チームには頭が下がります。
番組の成功に関して、特に若者から絶大な支持を集めたということに関しては、私の力は全く関係ないと思っています。それは、主役の2人、Ben Tavassoli(ラッシュ役)と、Mark Strepan(ステファン役)のキャスティングに依る所が非常に大きいですね。実は、私は、この番組が成功するかどうかは、主役2人のキャスティングにかかっていると、常々言っていたんですよ。そして、結果的に、本当に最高の2人がキャスティングされることになったんですね。彼らと一緒に仕事ができたことに本当に興奮しています。

—ステファンとラッシュを誰が演じるかが、このドラマのキーというわけだったんですね。キャスティングには関わられましたか?

ホ:ある程度関わりましたよ。最終選考に残ったラッシュとステファンが6人ずついる、という報告は受けましたから。私が一番こだわった部分は、視聴者を騙さない事、つまり、ポーランド移民(ステファン)を演じる役者はポーランド人でないといけない、ということです。マークはポーランド人のハーフなんです。そしてもちろんイラン人という事に関してもそうです。でも、今回のキャスティングの肝といえば、とにかく2人の主役の相性ですね。BenとMarkに最終決定したのは、私ではなく、監督であるAnthony Philipsonの決断ですが、あの2人をスクリーンテストで初めて見た時に、監督の判断は正しいと確信しました。

—ロンドンでの撮影の話が先ほど出ましたが、あなたにとってそれはどれほど難しいことなのでしょうか?

ホ:その・・・、もう信じられないほど難しいです。乗り越えなければならない問題だらけですよ。例えば、アメリカ(ドラマの)撮影チームが沢山来ているので、そもそも場所を確保するのができないんです。
それにともなって場所代もどんどんどんどん高くなっています。妻に言われたんですけどね、今度ロンドンが舞台の脚本を書いたら、その時は離婚する時だって。

—(笑)

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本人もカメオ出演してる!?

—聞くところによると、あなたがカメオ出演しているとか?

ホ:ははは(笑)その通りです。最近は増えてますね。脚本を書くドラマには全部少しずつ出るようにしてますよ。例えば、「刑事フォイル」では、3エピソードに登場していますし・・・・。一番最後のエピソードに出ていますし、2話目のチャリティー・イベントのシーンにも登場しています。


—『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』では?

ホ:たぶん、4話目だと思いますね。オフィスの中でのパーティーシーンがあるんですが、その中に混じっていますよ。セリフはないんですが。

—すぐあなたと分かりますかね?

ホ:私の顔を知っていればすぐにわかりますよ。僕がよく言う事なんですが、アルフレッド・ヒッチコックと私には、2つの共通点があるんです。それは、自分の作品の中に出演するということと、イニシャルが同じだということです。A. H.ですね。

—それともう1つ共通点を加えるなら、“素晴らしいストーリーテラー”だということですよね。

ホ:いやいや、その点で自分をヒッチコックと比べるなんてとんでもないですよ。私は、ヒッチコックの大ファンなんですけど、彼と自分を比較するなんて畏れ多い。

—ドラマにカメオ出演するというのは、そもそもご自身のご希望ですか?

ホ:そうですよ。最近は特にそうなんですが、書いている時から、自分の居場所は必ず確保するようにしています。

—(笑)

ホ:でも、基本的には何もしゃべらないですけどね。私は役者になれませんから。でも、「刑事フォイル」にカメオ出演したときは、靴下を購入する時のセリフがあったと記憶しています。闇市の場面です。元々マイケル・キッチンのセリフだったんですが、拝借しました。

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シーズン2はある??

—『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』ですが、昨年英国で大人気をはくし、今後日本でも人気が出ることでしょう。御伺いしたいのは、シーズン2があるかどうかということです。続編を書く準備はあるのでしょうか?

ホ:もちろん続編を書きたいという気持ちはありますし、机の上にはストーリーも揃っていますよ。まだ書いてないですが、6話分のアイデアはすでにあり、是非書きたいと思っています。正直、今の時点で、続編が決まっているとあなたに伝えたいところなんですが、実際まだなんですよ。アメリカでの評価を待っている最中です。重要なマーケットなんですね。『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』はアメリカでちょうど2、3週間前に始まったばかりなので、まだどういう状況かは分からないんです。BBCやITVの番組が見られるBritboxというアメリカのチャンネルで放送中です。希望を持って結果を待っているとことですよ。今の時点で決まっていないのは残念ですが、あなたもさっき言ってくれたように、番組にはもうすでに世界中でファンがいるんで、彼らのためにもね(続編を書きたい)。

—続編は嬉しいですが、1つ懸念が。奥さんは、次にロンドンロケが決まるとあなと離婚するとおっしゃっているので・・・。

ホ:(笑)29年間ずっと言ってることなんで、たぶん大丈夫かと思います(笑)

—安心しました。

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いかがでしたでしょうか?
アンソニー・ホロヴィッツ氏の独占インタビューをお届けしました。

話しててこちらがウキウキしてくるような雰囲気を持った方でした。

超大御所なのに、相手への気遣いが素晴らしく、
すごく、ものすごく、話しやすかったです。

本当にすごい人って、人柄も超一流なんだな、と思ったりしています。

とまれ、
『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』
是非楽しんでください!

【放送のお知らせ】

「ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル」 AXNミステリーで、日本初放送!
全7話一挙放送: 6月10日(土)夕方4:00スタート
レギュラー放送: 7月19日(水)夜8:00スタート

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川合亮平

通訳/翻訳者。 ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、エディ・レッドメイン、エド・シーランなど英国著名人の通訳者・インタビュアーとして、また、英国の観光情報を伝えるトラベルジャーナリ...

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